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11月8日ごろのTV放映 安藤邦廣先生 萱葺き民家を語る

2週間も前の話でたいへんに恐縮だが、少し紹介することにした。

民放ではあったが、スペインのバルセノアに建設中であるA・ガウディが設計した
「サグラダ・ファミリア教会」の建築家(名前は記憶にない)と一緒に、飛騨高山の
「合掌造り」を説明しながら、日本の伝統的な建物や地域の住まい方について
非常に参考になる説明をしていたので、その内容を少し紹介したい。
 
 「合掌造り(萱葺き民家)」の特徴
  ・裏山にある木材を大事に何十年も再利用しながら曲がり材なども有効利用して
   使い切る。
  ・萱や葦は、1年で採れるが、木材は使えるようになるまでには、何十年も掛かる。
   とくに、杉材などは、60年以上の高齢木がいい。だから、木材は大事であった。
  ・萱や葦の特徴を説明をして、いかに日本の「高温多湿」の気候風土にあっている
   自然素材なのかを、ジュースなどを飲む「ストロー」現象で説明していた。
  ・居住しながら、囲炉裏で煙をたてながら暖をとるのは、屋根の防虫防腐の効果も
   兼ねて暖をとることを理解していた。
  ・桁材から下の柱や梁組みは、専門職である「大工職人」に造ってもらうが、
   小屋組みは、集落の住人で造り、そして屋根の「萱葺き」や「葺き替え」も
   住人で造る。
  ・そのことによって、地域の一体感が生まれ、「結いっこ」精神で地域の共同体が
   結ばれる。つまり、「まちづくり」の一環を担っている。
  ・小屋組みの「サス」と呼ばれる3角形を形成するための間伐材の縦母屋だが、
   受け桁には、簡単な1寸5分角ぐらいのホゾ穴に入れているだけである。
    それは、萱葺き造りは、「剛構造」ではなく「柔構造」であることを
   説明していた。(つまり、現在の建築基準法の考えとは違うことを説明していた)
  ・小屋組みの接合部は、全て「縄」で縛られている。桁材までは、大工職人による
   継手や仕口で「込栓」や「通しホゾ」などで造られている。
    それぞれが、完全に「柔」接合なので、すれることで、地震力エネルギーを
   減少させていることを説明した。
  ・そして、萱の葺き替えた「腐れた萱」だが、裏山に持っていき林の肥やしにする。
   などの現在の環境問題に適していることの説明。
  

 などなど、自分もいままで萱葺き民家を「9棟」調査をしてきたが、その通りであった。
 自分も今までいろんな形で話してきたが、聞き入れてくれなかった。安藤さんがあのよう にテレビで放映してくれたのは、本当に助かった。

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