八ヶ岳 建物視察 2 吉村順三 音楽堂(1)
長年の夢であった、吉村順三の八ヶ岳音楽堂を視察してきた。
駐車場から降りたら、写真のように建物は全く見えなく木立の中に曲がりくねった歩道があった。
やがて、100mぐらい緩い登り坂を上りきった八ヶ岳の中腹に、この全景が目に映ったのである。
28年前(1988年)に完成したとは思えないほどのオーラを感じた。
講堂内部には、ピアノ演奏会の練習中であったので入室は出来なかったが、秋田から来た、と管理人に
話したら対応よくしてくれて玄関ホールなどを視察させてもらった。
とにかく、引き込み障子の桟の太さや建具廻りのディティールを見て回った。
やはり、玄関ホールの天井などは低く押さえていたが、講堂は、その分、客席床レベルも下げて
目線を地盤面にしながら、講堂の内部空間を大きくしている。
雑誌やカタログとで見るのとは、やはりまったく違う。壮大な八ヶ岳の風景にひっそりと潜んで
いるかのようで、とても謙虚にみえた。とくにその当時の「建築」の流れからすると異質であった
ように思っていた。