柔構造について 内田祥哉先生の本で紹介
これは、以前に日本の木造建築について、第一人者である「内田祥哉」先生からの
依頼で記載された本を紹介する。
二ツ井町の「麻生会館」(結いっこに紹介)が記載されている。
本の題名は、「日本の伝統建築の構法」であるが、サブタイトルとしては、
「柔軟性と寿命」となっている。
安藤邦廣先生も言っているように、伝統的建築物と現代型建築物は、基本的に
地震力に対する考え方が違うのである。
伝統的建築物は、柱と梁の主要な軸組みで柔構造と免振構造で減振させる考え方だが、
現代的建築物は、壁倍率で剛構造で対応する考え方なのである。
したがって、剛構造の建物は、揺れをなるべく少なくして大地震に耐える構造なので、
建物は大丈夫だが、その分だけ建物内部の家具に直接に揺れが伝わり、家具の転倒や
テレビや冷蔵庫などの転倒や移動転倒に、相当な揺れエネルギーが生じることになる。
家は大丈夫ではあるが、家具や家電に衝撃的な力が作用するので注意が必要なのである。
伝統的建築物は、柔構造なので、超高層ビルの「揺らす構造」つまり柔構造と同様の
考え方なのである。
したがって、「棚に置いていた物も落ちなかった」と言われる所以は、そのような
ことからきているのである。