2014/02/12
秋田内陸線 再生プロジェクト 体験ツアー
2014/02/11
二ツ井小学校の設計理念を先生方に講演
平成23年1月に二ツ井小学校の川尻校長先生から「二ツ井小学校の設計理念について先生方に講演してください」との依頼があった。
というのも、ほとんどの先生方は、「なぜ、このようなデザインなのか?なぜ、この造り方なのか?なぜ、秋田杉なのか?などなど——-、プロポーザル設計競技の提案内容などは解っていないので、講演してもらいたい」との理由だった。
予定より時間オーバーしての講演会だった。2時間。参加者は、二ツ井小学校の先生、興味があった大仙市の工務店、秋田県の建築課長など、約25名。
講演内容は、アトリエあすかの基本理念である「結いっこ運動」つまり、二ツ井町のまちなみ再生、匠の技である伝統文化の継承、地域産業の活性化である。
公共建築物は、その地域の中で造る役割がある。その役割をきちっと果たさなければならない。まちなみ風景を整えよう、技の温故知新、近くの木を使う意味。などなど。
川尻校長先生は、「使う先生方が、理解していないと意味が無い」とのこと。理解ある校長先生で頭が下がった。今度は、児童にも、とも依頼があった——-。
二ツ井小学校は、今年、プール建設が着工となる。完全に完成するのは、来年の3月の予定のようだ。
2014/02/10
「金足の住まい」完成
平成23年4月完成。増築工事であるが、現在の家は2×4工法で造ったが、やはり、「木組み」が心地よいとのことで、伝統構法での増築であった。
HPからのお客様である。住まい造りには、すごく勉強されていて、打合せが楽しかった。
また、住まい手が、古い建具や古材などを準備していたので、その部材との取り合い箇所では、細部の細部のディテールには一部に寸法の割合術から、 納得していない部分もあったが、全体とすれば、民家型の空間が醸し出されていて居心地がいい。
住まい手も多いに喜んでいる。
なにせ、この四間通しの曲がり木と二間の曲がり木、また、細部のディテールだが、田中考案の通し貫の楔は、見ごたえがある。
住まい手が、良くぞこれだけの古い建具や古材を収集したと感心する。
2014/02/09
藤里町「改修の住まい 二回目」完成
平成22年8月完成。
今回、二回目の改修工事である。
一回目は、20年ほど前の増改築工事であった。
その時は、子供部屋の増築工事、そして、今回は、台所・居間・の内部改修工事で、外部の改修としては、屋根材の葺き替えと外壁材の張替え工事である。
お盆前までの完成であったが、ぎりぎりであった。
と言うのは、やはり、年数が経つと土台や柱脚の腐朽が顕著に表れており、また、木の軸組が不十分であったりで、結構、現場に足しげく通い工事監理をした。
主な工事監理項目
- 予算を懸けないで、水平耐力のバランスと柱の引き抜きなどを考慮して耐震性の向上を図った。
- 断熱性能の向上をおもい、内部間仕切りにも挿入した。(とにかく、大きな住まいなので断熱する部屋を区切った)
- 住まい手との打合せを多く取り、完成してから、「こうすればよかった、とか、こうゆうはずでは無かった」とか、の言葉がでないように、工事監理業務を遂行した。
「施工事例」の(建てた方の感想)に記載しますので、ごらんください。(住まい手が忙しく、まだ、アップできていません)
2014/02/08
「内断熱工法」に思う事
●断熱工法には、「外断熱工法」と「内断熱工法」の2種類がある。「内断熱工法」とは、室内の仕上材と壁内のグラスウールとの間に防湿シートを挿入して、室内の湿気が壁内に侵入するのをそのシートで完全に防いで、壁内のグラスウールが結露をしないように、つまり壁内の内部結露を防止して、断熱性能を保持する工法なのである。
その工法で最も注意しなければならないのが、その防湿シートに面積欠損が有るか無いかが重要な最大のポイントになり、その住宅の断熱性能の評価「良し悪し」が決定する。
一部の施工方法についてだが、室内の仕上材を打ちつける釘孔は、防湿シートに当然のごとく孔は空く、その孔には、釘が、埋まっているから、シートの面積欠損にはならない。したがって結露はしない、だから「良し」ということに考えられているのである。
ただし条件があり、強風や地震の時の揺れが無ければ——–である。
現在の木造建築物の耐震設計には、強風や地震時の「揺れ」を考慮した耐震計算方式に基づいて耐力壁を設置しているのが一般的で、その「揺れ」の許容範囲は、単純計算だが1階の柱下と柱上で「約1㎝」は、建物全体が左右に揺れ動くとの想定で基準を設けている。震度5強以上の地震では、それ以上になる。
そこで矛盾が生じる。
動かないつまり制止できる、または、制止している木造建築物であれば上記のとおり「良し」だが、建物が、「揺る」地震にでも遭ったら、そのピシッと張りつめた防湿シートの釘孔から「揺れ」の程度によっては裂け始め面積欠損になる。
ましてや、防湿シートは、ビニール系なので経年変化によっては材質性能が低下しモロクなる。
竣工当時は、柔軟性があっても年数を重ねるごとに硬化してくる。そして、少しの「揺れ」にでも敏感になり裂けはじめ易くなる。
結局は、その裂けた防湿シートの面積欠損部分から室内湿気が壁内のグラスウールに吸着して、壁の内部結露になり「内断熱工法」システムが崩壊し始めるのである。
ましてや、壁の中だから、目視は困難で初期対処の維持監理が出来ないから、なおさら厄介である。また、出来たにしても、家全体の内壁を全部除去して新たに防湿シートを施工しないと断熱性能の確保は難しい。大改修工事になる。
今、求められている長寿命化制度で木造建築物の耐用年数50年とか200年耐久住宅に、はたして、対応出来るのだろうか。その期間には、必ずや中地震、または大地震が発生する可能性は高い。責任問題が発生してくる。
施工精度を高めれば高める程、精巧であれば精巧である程、小さなミスや些細な欠点から少しずつ崩壊が始まり、後々には、そのシステム全体が崩れる。
断熱性能を向上させることは大事ではあるが、システムが崩壊しては元も子も無くなる。
盛んに断熱性能住宅性を競い合ってはいる。無暖房住宅も魅力ではあるが、「木を見て森を見ず」にならないようにしないといけない。
50年後でも100年後でも、内部結露は起きない、外壁側の「透湿防水シート」が理論どおり内部結露現象が生じないような性能を発揮する、断熱性能は維持できる、作業する職人の技術力も皆が同等で意識も同じ、などなどについて自信を持って言いっきっている人達に、現在の私は疑問を持っている。
たしかに、環境的配慮からでも間違いのないシステム理論だが、生物の感覚とすれば、まだ納得できていない。
確かに、無暖房住宅も魅力ではあるが、私とすれば、まだ、自信がない。
● 基礎断熱については、追々あとで記述する。
2014/02/07
東京大学名誉教授 内田祥哉先生の初版本です。
2014/02/06